抄録
自然災害による地形条件分析として高精度DEMによる標高変化を見ることが有効かと思われるが,甚大な災害でなければ通常その前後の同一地域のDEMはない。しかし大小多くの自然災害が毎年生じ,DEMに代わる地形条件変化の推定手法が必要である。人工衛星の反射率データは,可視領域以外に近・熱赤外域など幅広い波長帯を捉えることができるため,空中写真を超える多様な土地条件分析が可能である。たとえばこれらのデータから導かれるNDXIすなわちNDVI(正規化植生指数),NDSI(正規化土壌指数),NDWI(正規化水指数)はそれぞれ植生,土壌,水の存在を判断できるため,植生区分や自然災害に伴う地形条件分析に利用されている。そこで大分川を事例にNDXIを地形条件変化の指標となせるかを課題とし,NDXI変化の特徴と堤外地形との関係を分析した。