抄録
2011年東北地方太平洋沖地震は,日本海溝沿いに起こったプレート境界型巨大地震であった.地震研究者によると,この地震は複数の固着域(アスペリティ)が連動して発生したもので,想定外の地震であった.これによって連動型地震なる言葉が社会に広く喧伝されるところとなった,講演者らは,プレート境界型地震も陸域の地震と同じように,既存の活断層の固有地震であり,2011年地震は,三陸沖から茨城県沖に連続する役500㎞の長大な活断層が発生源となったと考えている.遠くない将来,必ず発生すると考えられている南海トラフでは,中央防災会議が巨大な連動型地震を想定し,マグニチュード9の地震が発生すると予測しているが,これには,地震発生減となる海底活断層は全く考慮されていない.本発表では,変動地形学的手法によって認定された日本海溝・南海トラフ沿いの海底活断層の位置・形状の特徴と,それから発生する地震について議論する.