日本地理学会発表要旨集
2012年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 118
会議情報

発表要旨
兵庫県宍粟市における参加型地図作成と住民の防災行動の関連性
*竹内 裕希子須田 雄太ショウ ラジブ
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
兵庫県宍粟市曲里地区は,2009年の台風9号により洪水被害が発生し,これを契機に住民参加型の防災マップ作成に関する社会実験を宍粟市と国土交通省近畿地方整備局と協働して取り組んだ。地域の防災情報、史跡や観光、生活情報等の多くの地域資産に関する情報は住民所有の情報であり、これらの情報を地図化し共有するためには住民参加型の作成方法が有効である。そのため、既に参加型で防災情報の地図化「マイ防災マップ」に取り組んだ曲里地区住民を対象に、本研究調査では、1. 「マイ防災マップ」の作成が防災行動に与える影響、2. 日常生活に「マイ防災マップ」が使用されるために、防災情報以外の地域資産に関する情報種を検討した上で、住民参加型の地図作成・利用の利点、教訓、課題点等を明らかにし、地域資産と防災情報を取り入れた複合型地図の作成に反映させることを目的として、アンケート調査を実施した。
兵庫県宍粟市曲里地区におけるアンケート調査は、13項目から構成され、2011年7月に実施した。アンケートは自治会長を通じて配布・回収を行い、93%にあたる106世帯から回答を得た。単純主計。クロス集計、X2検定の結果から、防災マップ作成への参加と災害時の避難行動とに関係性があることが明らかとなった (X2(1)=6.11, p<0.05)。作成した防災マップの今後の活用方法としては,43%の人が公民館などにマップを掲示し,地域住民がマップを確認できる環境を作るとよいと回答した。本発表では、曲里地区住民を対象としたアンケート調査結果を基に報告する。
著者関連情報
© 2012 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top