日本地理学会発表要旨集
2015年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 712
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発表要旨
海大陸西部における降水経年変動とENSO・インド洋ダイポールとの関連
*浜田 純一松本 淳森 修一山中 大学Sunaryo HasanLestari SopiaSyamsudin Fadli
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抄録
ジャワ島を中心とする海大陸西部の季節内変動を含めた降水経年変動の特徴を、長期間の現地定常気象観測資料の解析を基に示し、経年変動を規定する要因について、ENSOやインド洋ダイポール(IOD)との関連より明らかにすることを目的とする。

相関解析及びコンポジット解析結果より、IODがジャワ島北西部の乾季(5月~10月)の降水経年変動に大きな影響を与えることが分かった。乾季における少雨は、正のIODとエルニーニョが同時に発達する年に発生する一方、多雨は負のIOD年に発生する傾向にあった。正の(負の)IOD年には、インドネシア周辺は冷たい(暖かい)海水に囲まれ、対流圏下層は大規模な発散域(収束域)となり、水蒸気量も少ない(多い)状態にあった。一方、雨季(11月~4月)における降水経年変動はENSO/IODとの相関は低く、中立年(非ENSO/IOD年)に多雨となる傾向にあった。また、雨季の降水経年変動は、赤道域の海面水温変動よりも、むしろ、北半球冬季アジアモンスーンの強弱(赤道越えの北風気流の強弱)と、より関連が強いことを示唆する結果を得た。
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© 2015 公益社団法人 日本地理学会
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