日本地理学会発表要旨集
2016年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P1005
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発表要旨
大地の遺産としての滝ノ頭湧泉と長根堰
*栗山 知士
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抄録
大地の遺産となりうる滝ノ頭湧泉とそれと 関連する長根堰を自然地理学の分野である水文学的観点と長根堰開削からみた地形の人工改変をジオパークの見所として紹介する.
長根堰は,渡部斧松(1793~1856)が寒風山(標高345,8m)北麓の滝ノ頭湧泉に着目して,八郎潟西部の低湿地である鳥居長根地区の新田開発おこなうために開削した.長根堰開削の最大の特徴は,穴堰と流し堀工法である.
穴堰の開削は,崩れやすい地質のため難工事となり,6名の作業員が殉難している.現在,穴堰はすべて崩落し,山が切り割られた形となり開渠いている.
流し堀工法は斧松が考え出した方法で,この方法で開削した結果,八郎潟南西岸が埋め立てられ,新たな造成地を誕生させることになった.
これらは,岩田(2012)が提案した「大地の遺産」の五つの評価基準に照らすと,男鹿半島・大潟ジオパークの見所として活用できるものと考えられる.
  
  
 
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