日本地理学会発表要旨集
2016年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 606
会議情報

発表要旨
災害発生直後の地盤変状把握システムの構築
*鈴木 比奈子内山 庄一郎水井 良暢
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
2016年熊本地震では斜面崩壊をはじめ、地表面の亀裂、液状化など地盤の変状(以下、地盤変状)が多く発生し、これにより道路の破損、宅地擁壁の崩落や農地被害などの被害が生じた。これらの被害は、生活再建支援のために自治体により被害規模や被害額の算出が行われる対象である。 本地震における地盤変状に関する調査情報としては、例えば防災科研の土砂移動分布図や国土地理院の亀裂分布図など、複数の機関から多様な情報が公開されている。しかしながら、自治体がこれらのデータを統合し、地盤変状に関する被害を総括しようとしても、データフォーマットやアクセス制限の都合上、実際の作業には大きな困難が伴う。さらに、そういった公開データとは別に、基礎自治体の各課で収集した詳細な被害情報も存在するが、作業機関内でのみ共有・利用されるだけであったり、情報が部分的であったりして、地盤変状による被害の全体像を把握には使い勝手が良いとは言えない状況にある。 自治体における被害状況の把握に必要な情報の種類は、時期により変化する。そのような中、熊本県では、被害状況の取りまとめや被害額の算出を行うフェーズにおいて、前述の多機関の公開データ等を参考情報として利用したが、先に挙げた課題にあるように、災害全体の被害把握を行うには困難が生じていた。 本研究では、上に挙げた課題の解決、つまり地盤変状による被害状況の迅速な把握について、これを実現するためのシステム構築を目指した。本システムでは、地盤変状を迅速かつ網羅的に把握すること、およびその結果を地図として可視化し、復旧・復興に携わる関係機関へ速やかに提供すること、この二つを主要な目的として掲げている。
著者関連情報
© 2016 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top