日本地理学会発表要旨集
2022年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 533
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発表要旨
大学生向けフィールドトリップの企画・立案
京丹後市旧網野町・旧丹後町をめぐる日帰り周遊ルートの検討
*大谷 杏
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抄録

はじめに

 近年、大学のゼミや授業にフィールドワークを採り入れることが求められ、企画・立案に苦慮する教員もいるのではないかと察する。本発表では、そのような教員の一人である発表者が実り多い校外学習を求め2年間試行錯誤した過程、そこから編み出した周遊ルートを紹介し、大学生のフィールドトリップと共に、できる限り公共交通機関を利用した地域周遊観光の可能性探る。

1. 北近畿9市町村への訪問

 発表者の勤務先では、PBLやフィールドワークを行うことが推奨されている。ゼミ生たちは地域経営について学んでおり、様々な授業で学校のある北近畿地域が例示されるのだが、個人旅行で各自治体を訪れることは稀である。そのため、ゼミでは2年生を対象に、大学と提携を結んでいる近隣の9市町(福知山市、綾部市、舞鶴市、宮津市、与謝野町、伊根町、京丹後市、朝来市、丹波市)全てを訪問することにした。それぞれの地域的特性や北近畿地域内の多様性を学ぶことが目的である。ここでは、その中のひとつ、京丹後市へのフィールドトリップに焦点を当てる。京丹後市は京都府北部の丹後半島に位置し、2004年に峰山、大宮、網野、丹後、弥栄、久美浜の各町が合併してできた府内4番目501.84㎢の面積を誇る市である。令和3年の統計によれば、人口は50,280人で、うち最も人口が多いのが網野町(11,778人)、最も少ないのがその隣に位置する丹後町(4,657人)である。

2. 各訪問時のルート

・事前に行った下見

福知山駅→峰山駅→立岩→てんきてんき丹後→琴引浜鳴き砂文化館→峰山駅→福知山駅

・第1回フィールドトリップ

福知山駅→網野駅→間人皇后・聖徳太子母子像→立岩→てんきてんき丹後→琴引浜→琴引浜鳴き砂文化館→峰山駅→福知山駅

・第2回フィールドトリップ

福知山駅発→網野駅→立岩→間人皇后・聖徳太子母子像→てんきてんき丹後→琴引浜→琴引浜鳴き砂文化館→アミティ丹後→網野駅→福知山駅

3. まとめと考察

 下見での課題は、峰山駅での乗り換え時間の短さとバスの乗車時間の長さであった。第1回フィールドトリップ時は、暑さ対策、琴引浜での時間配分、昼食場所の確保が課題であった。第2回は訪問時期を前倒しし、冷却グッズを揃えた上で、琴引浜鳴き砂文化館での時間を充分に確保した。事前下見の際、悪天候であったため、琴引浜ではなくアミティ丹後に立ち寄ったが、第2回は当施設で丹後ちりめんの機織り機が稼働しているところを見学、織物産業の現状についてもお話を伺うことができた。最終的には網野駅を起点としたことにより、旧網野町の中心部まで足を伸ばすことができた。

参考URL 京丹後市 https://www.city.kyotango.lg.jp/

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