日本地理学会発表要旨集
2024年日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P050
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深層崩壊の地形特徴量の予察的解析―高知県東部を事例に―
*當麻 央介齋藤 仁
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抄録

本研究では,複数の地形量の分析を通して各地形量が深層崩壊にどれほど関係しているのかを明らかにした.高知県東部の四国山地を対象に深層崩壊発生前の2009年のDEMを用いて,深層崩壊範囲と深層崩壊範囲外において10種類の地形量(標高;elev,傾斜;slope,傾斜方位;aspect,固有値比;eigenvalue_ratio,地上開度;subaerial_openess,地下開度;subsurface_openess,地形湿潤度指数;TWI,断面曲率;prc,鉛直曲率;plc,LOGフィルタ)を計算した.そして,機械学習の一種であるランダムフォレストを用いて,深層崩壊発生の有無に関連する各地形量の重要度の算出をした.さらに,各地形量について,深層崩壊が発生した範囲と深層崩壊が発生していない範囲のシグナルを調べるために,ウェルチのt検定を行った.その結果,重要な地形量は順に標高,斜面方位,傾斜,地下開度であった.また,10種類の地形量のうち,ウェルチのt検定で,有意水準1%で有意であったのは標高,斜面方位,地上開度,固有値比およびLOGフィルタの値であった.これは,深層崩壊発生範囲の表面形状に共通の特徴があることを示すものであり,斜面上の微地形等も注目すべきであることを示唆している.

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