抄録
症例の概要:患者は28歳の女性.自転車走行中転倒し,下顎骨および上顎骨を骨折し,上下顎前歯が脱落した.口腔外科にて処置後,咀嚼障害および外観障害を主訴に来院した.受傷前の咬合状態を想定したCo-Cr製サージカルシーネをあらかじめ製作して,手術当日筆者立ち会いの下で左右下顎骨片の位置づけを行った.その後,上下前歯部欠損に対し部分床義歯を装着した.
考察:模型上にて受傷前の咬合状態を想定して左右下顎骨片の位置づけを行ったために,良好に経過しているものと考えられる.
結論:現在半年に一度リコールを行っている.最終補綴装置装着後約4年経過しているが,顎関節等に異常所見はなく良好に経過している.