日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第126 回学術大会/イブニングセッション5 「インプラント治療における光学印象の活用−現状と今後の可能性−」
インプラント治療における光学印象の活用
−現状と今後の可能性−
田中 晋平高場 雅之深澤 翔太渡邊 理平夏堀 礼二近藤 尚知馬場 一美
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2018 年 10 巻 1 号 p. 23-31

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抄録

 インプラント治療はCT(Computed Tomography)のDICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)データがデジタルデータであることから,デジタル・デンティストリーと親和性が高く,比較的早期からデジタル技術が導入されてきた.シミュレーションソフトウェアやガイドサージャリーやナビゲーションシステムによる安全な手術などはもとより,今日ではCAD/CAMを用いたインプラント上部構造が広く普及した.

 光学印象の普及はデジタルワークフローの枠組みを技工のみでなく,臨床手技にまで拡大するもので,すでに一部のシステムにおいては,光学印象からインプラント上部構造製作までが系統的に整備され,フルデジタルワークフローによるトップダウントリートメントは,完成形に近づいたといえよう.

 一方で,光学印象に関連したデジタルワークフローは従来のワークフローと比較して柔軟性に劣る,従来のワークフローで得られる最高レベルの精度が担保されていない,など幾つかの制限があることも事実である.本稿では,インプラント治療における光学印象の活用の変遷と現状を提示するとともに,今後の展開について,現在直面している技術的限界に焦点を当てながら考察する.

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