2018 年 10 巻 1 号 p. 40-45
義歯の汚れ,デンチャープラークは義歯表面に形成される微生物バイオフィルムであり,義歯性口内炎や口腔カンジダ症の原因になることが知られている.また,義歯自体が微生物の温床となり,その微生物を持続的に飲み込むことで誤嚥性肺炎をはじめ,種々の全身疾患の危険性が指摘されている.このため,高齢者の健康を考えた場合,適切なデンチャープラークコントロールは必須であり,義歯洗浄剤を用いた化学的洗浄はデンチャープラークコントロールにおいて重要であることが報告されている.
本総説では,まず義歯の汚れの主体であるデンチャープラークとは何かについて解説し,続いて義歯洗浄剤について解説していきたい.