2018 年 10 巻 2 号 p. 163-166
症例の概要:63歳女性.上顎両側臼歯部挺出を伴った下顎両側遊離端臼歯部欠損による咀嚼障害を主訴に来院した.インプラント固定性補綴歯科治療と対合歯も咬合関係を是正して補綴歯科治療を行った.
考察:インプラント固定性補綴歯科治療により咀嚼機能が向上した.最終補綴装置装着後3年6カ月間,問題なく経過を辿っており,術前の咬合検査,診断,定期的なメインテナンスの継続,少ないインプラントリスクファクターが結果に反映していると考えられた.
結論:インプラントとその対合歯に外傷を与えない咬合関係を与えることを念頭に,インプラント固定性補綴歯科治療を行った結果,3年6カ月間問題のない経過を辿った.