2018 年 10 巻 2 号 p. 159-162
症例の概要:74歳の女性.上顎義歯の維持不良と前歯部の審美不良とを主訴に来院した.患者は 731|35 3| に磁性アタッチメントのキーパーが装着されていたが磁性アタッチメントはなく強い嘔吐反射を示した.また義歯の前歯部の豊隆が強く口唇が突出して見えた.使用中の義歯を治療用義歯として床範囲を決定し,前歯部の豊隆はチェアーサイドで決定した.
考察:旧義歯を調整し適切な義歯床縁の位置を検討したことで,適切な位置に床縁を設定できた.またチェアーサイドで前歯部排列位置を決定したことで審美的満足も得られたと考えられる.
結論:磁性アタッチメントを設定し,適切な義歯の床縁を設定したことなどから維持不良と審美不良とが改善された.