2019 年 11 巻 2 号 p. 102-110
上顎無歯顎へのインプラントアプローチとして固定性と可撤性(インプラントオーバーデンチャー,以下IOD)が考えられるが,臨床においてどちらを選択するかについて,可撤性の立場でディベートをおこなった.
ディベートにおいては,どのような設計にておこなうかを決めておくことが肝要で,可撤性についてはリジッドIODとフレキシブルIODに区別して論考した.また,さまざまな因子を考慮する必要があるため,いくつかの項目に分けて検討した.すなわち,解剖学的観点,術前に義歯を使用していたかどうかなどの術前状況,治療費,そしてライフステージ,特に要介護を見据えた上での検討をおこなった.水平的顎堤吸収が進んでいる場合,術前に慣れ親しんだ義歯を使用していた場合,治療費を抑えたい場合,要介護を見据えた場合には,固定性よりIODの方が適していると考えられた.長寿社会を迎えて上顎無歯顎におけるインプラント補綴の選択として,IODは高い必要性があると考えられた.