2019 年 11 巻 2 号 p. 111-115
「来院する患者さんの口腔内を責任を持って一生面倒みよう」と開業して30年が経過した.今となってはその「一生」は自分の一生であって患者の一生ではないことがわかる.永く来院していた高齢の患者の中には気がつくといつの間にか来院が途絶えてしまい,最期までかかわれていないことも多い.超高齢社会になり口腔機能を維持することが健康寿命の延伸につながることが注目され,通院できなくなっても歯科治療を必要としている高齢者は数多くいて,かかりつけ歯科医として最期までかかわることが求められるようになってきている.かかりつけ歯科医として超高齢社会で何が求められているのかを考えてみたい.