歯科医療現場における歯科用ハンドピースの滅菌及び歯科用ユニットの給水管路について,新聞等の報道によって何度か取り上げられたことで,感染予防のあり方を再確認するきっかけとなった.本総説では,感染予防対策に係る過去のガイドライン,行政通知を基に感染予防の考えを整理し,それぞれの機器での感染予防の対応について紹介する.歯科用ハンドピースについては,エアタービンで顕著に発生する回転停止時のエアー吸い込み現象(サックバック)を解説し,その対策事例及びオートクレーブ滅菌について紹介する.歯科用ユニットについては,日本国内における水質基準を始め,過去に日本歯科器械工業協同組合で実施した市場調査結果からみる「フラッシング」の有効性と留意点,更に各企業の対策事例を紹介する.