2019 年 11 巻 2 号 p. 167-170
症例の概要:49歳の女性で,上顎右側歯の欠損による咀嚼障害と審美障害の主訴を有していた.現病歴として,右側鼻腔からの膿汁と上顎右側第一大臼歯頰側歯肉の膿瘍のため当院を受診し,その後,保存不可能な歯が抜去され,抜歯後の欠損補綴にはインプラントによる治療が検討された.
考察:本症例では,骨量不足に対してサイナスリフトによるインプラント治療を応用した.また,スプリントを用いて水平的顎位に問題がないことを確認した後,咬合高径を変えずに最終補綴を行った.
結論:最終の補綴装置は,破折,脱離などはなく,機能的にも患者の満足が得られ良好に経過している.