2019 年 11 巻 4 号 p. 407-410
症例の概要:舌がん再発にて舌亜全摘,舌再建術を施行した患者(71歳男性)に対する舌接触補助床(Palatal Augmentation Prosthesis: PAP)を製作した.主訴は術後の嚥下困難感であった.初診時,Universal Design Food(UDF)区分4(かまなくてもよい)と経腸栄養剤を1食あたり90分かけて摂取していた.
考察:PAPを装着後3年が経過した.装着により食塊の送り込みや嚥下反射の惹起性の向上を認めUDF区分4の摂取が1食あたり30分で可能となり経腸栄養剤は不要になった.
結論:舌亜全摘,再建術後のPAPは経口摂取の維持において有効と考える.