2019 年 11 巻 4 号 p. 403-406
症例の概要:66歳男性.奥歯がなくものが食べられないという主訴で来院した.咬耗による咬合高径の低下が認められたため,オクルーザルスプリントとプロビジョナルレストレーションを用いて咬合の再構成を行い,固定性と可撤性の補綴装置を装着して咀嚼障害の改善を行った.
考察:オクルーザルスプリントを用いて垂直的な顎間関係の修正を行うことで咬合高径の低下を改善することができた.その顎位を参考にしてプロビジョナルレストレーションを装着して機能的,審美的に問題のない適正な顎位を再構成した結果,主訴の改善に繋がったと考えられる.
結論:著しい咬合高径の低下に対して,適正な顎位の改善を図ることで咬合や審美性,咀嚼機能の回復に有効であった.