日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
治療用義歯を用いて咀嚼機能を改善した全部床義歯症例
藤田 崇史
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2019 年 11 巻 4 号 p. 415-418

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抄録

症例の概要:患者は79歳男性.上下顎全部床義歯の維持力不足と咀嚼困難を主訴に来院した.術前の咀嚼機能検査ではグルコース濃度74 mg/dL と低い値を示し,義歯不適合による咀嚼障害と診断された.治療用義歯を用いて咀嚼機能の改善を確認したのち,ダイナミック印象を行い上下顎新義歯を製作した.

考察:本症例では,治療用義歯にて獲得した義歯の機能的要素および形態的要素を新義歯にトランスファーすることができたため,良好な結果が得られたと考えられる.

結論:新義歯装着後に咀嚼機能の改善が認められた.新義歯への馴化を促すために,治療用義歯は有効であった.

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© 2019 公益社団法人日本補綴歯科学会
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