2019 年 11 巻 4 号 p. 431-434
症例の概要:患者は64歳男性.補綴装置による違和感および上顎臼歯部欠損による咀嚼障害を主訴に当科を受診した.これまでにレジン床義歯を三度製作していたが,補綴装置による違和感のためいずれも使用できなかった.
新義歯製作に先立ち,熱可塑性樹脂にて口蓋床を製作.新製義歯の口蓋形態を模索し,前後パラタルバーを用いたCo-Cr製の金属床義歯を製作し,主訴の改善を図った.
考察:金属床義歯を製作した義歯により,患者の満足が得られた.術後4年を経過したが,義歯の安定は損なわれず経過は良好であった.
結論:両側上顎臼歯部欠損症例に対し,大連結子の選択に配慮し,金属床義歯を適用して,良好な結果を得た.