2020 年 12 巻 1 号 p. 36-41
従来型部分床義歯(CRPD)の適用には限界があると考えられ,その一方,最近ではオーバーデンチャータイプの可撤性部分床義歯(IARPD)の可能性が検討されている.本論では以下の2点に絞って考察した.1)下顎片側遊離端欠損に対する固定式インプラント補綴以外のバリエーション,すなわち,CRPD,ノンメタルクラスプデンチャーおよび非介入(SDA)に関する患者主観評価による自院臨床研究結果を示し,さらにはIARPDの臨床例を紹介した.2)SDAを超えた両側多数歯遊離端欠損に対しては,CRPDでは難渋する場合が多い.そうした場合の解決策として用いたIARPD の臨床例と科学的根拠を紹介した.