日本補綴歯科学会誌
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総説
企画:第128回学術大会イブニングセッション2 補綴歯科における「技能教育」を考える
長澤 麻沙子河野 博史大久保 昌和秋葉 奈美峯 篤史魚島 勝美
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2020 年 12 巻 3 号 p. 243-256

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抄録

 歯学教育の大きな目標のひとつは臨床能力の獲得であり,十分な知識に裏付けられ,臨床における多様性に対応できる技能の習得は必須である.特に補綴臨床においては補綴診断能力のみならず,高い「臨床技能」が必須である.2020年度より一斉技能試験が診療参加型臨床実習後の客観的臨床能力試験(Post-CC CPX)の一部として正式に実施される予定であるが,これは社会的事情を背景として臨床実習の実施形態が大きく変化したことに対して,卒業時の歯学生の技能を担保するために社会に対する説明責任の一端である.また,2019年から補綴歯科学会において全国の歯学生を対象とした学生技能コンペティションが開催されることになった.そこで今回,補綴歯科における「技能教育」のあり方について,明確な到達目標,方略と評価について考えたい.質の高い歯科医師を輩出する責務を負う教育機関の一員として,特に補綴治療の専門家として「技能教育」を再考したい.

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