日本補綴歯科学会誌
Online ISSN : 1883-6860
Print ISSN : 1883-4426
ISSN-L : 1883-4426
専門医症例報告
上下顎全部床義歯装着患者に対して上顎義歯修理と下顎義歯製作を行った症例
三原 佑介
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 12 巻 3 号 p. 292-295

詳細
抄録

症例の概要:患者は69歳の男性で,下顎全部床義歯の床下粘膜の疼痛と咀嚼困難を主訴に来院した.上顎義歯は咬耗以外に問題は認めなかったが,下顎義歯は床縁,適合,咬合,人工歯排列位置など多くの問題を認めた.まず,下顎義歯のみを暫間義歯として製作し,上顎義歯は人工歯咬合面の修理を行った.その後,閉口印象法を用いて上下顎全部床義歯を製作した.

考察:治療終了後は良好に経過している.早期に機能回復を行い,良好な患者との関係を構築できたことも,最終義歯の患者満足度の向上につながったと考えられる.

結論:旧義歯の問題点を的確に抽出し,暫間義歯製作と義歯修理を選択したことで,早期に機能回復を行うことができた.

著者関連情報
© 2020 公益社団法人日本補綴歯科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top