日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
咀嚼障害と発音障害を有する上下顎無歯顎患者に対して補綴治療を行った症例
坂元 麻衣子
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2021 年 13 巻 1 号 p. 58-61

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抄録

症例の概要:85歳男性.「入れ歯の外側に食べ物がたまる.食事時の痛み,入れ歯使用時に会話がしにくい」を主訴として来院した.医療面接,診察・検査後,「上下顎全部床義歯の不適合,義歯床研磨面形態不良に起因した咀嚼障害と発音障害」と診断した.口腔衛生状態の改善,顎堤の健全化を図り,上下顎金属床義歯を装着した.

考察:パラトグラム法による発音機能の改善,義歯床翼部形態と周囲筋の調和により,床研磨面の食渣の消失を認めた.咀嚼スコアは初診時39.4,新義歯装着1か月後81.1になった.

結論:義歯装着3年が経過し,審美的,機能的に満足を得た.患者の健康増進に寄与できたものと考える.

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