2021 年 13 巻 1 号 p. 70-73
症例の概要:患者は82歳男性で,上顎臼歯部の動揺と下顎臼歯部欠損による咀嚼困難を主訴に来院した.歯周基本治療によりプラークコントロールの改善に努め,保存不可能な歯の抜去を行った.残存歯にプロビジョナルレストレーションを欠損部へは暫間部分床義歯を装着した.咬合の安定後,コーヌステレスコープデンチャーを用いた最終義歯を製作した.装着3年後,患者は機能的,審美的に満足し良好に経過している.
考察:コーヌステレスコープデンチャーにより,リジッドサポートが得られたことで良好な経過が得られたと考えられる.
結論:高齢患者の欠損に対し,コーヌステレスコープデンチャーは審美的,機能的に高い満足度が得られる有効な処置である.