2021 年 13 巻 2 号 p. 174-177
症例の概要:患者は57歳女性,重度咬耗による審美不良を主訴として来院した.上下顎ともに重度咬耗が認められ,睡眠時ブラキシズムにより長期にわたり歯質,補綴装置への過大な咬合力が作用していたものと考えられた.
考察:咬合挙上を伴う全顎的な歯冠補綴を行い審美不良を改善し,睡眠時ブラキシズムに対しては,スプリント装着を指示することで,補綴装置の破損は認めなかった.
結論:睡眠時ブラキシズムによる重度咬耗に対して咬合挙上を行うことにより,審美不良を回復し,スプリント治療を併用することにより良好な予後を得ることができた.