2021 年 13 巻 4 号 p. 333-336
症例の概要:患者は71歳の男性.多数歯欠損による咀嚼障害を主訴に来院した.まず保存不可能な歯の抜歯を行い,プロビジョナルレストレーションと暫間義歯で咬合の安定を図った.その後,暫間義歯を改造しながら前処置を行い,最終補綴として欠損部への金属床義歯を装着した.
考察:金属床義歯の適用と残存歯に対する歯冠補綴を行ったことで,適切な咬合圧分配と咬合平面の修正が可能となり,義歯の安定を得ることができたと考える.
結論:すれ違い咬合を有する患者に対して適切な咬合再構成を行い,最終補綴装置として金属床義歯を適用することで,長期間における良好な咀嚼機能の維持ができた.