2022 年 14 巻 1 号 p. 97-100
症例の概要:76歳女性.下顎義歯不適合および 21| 疼痛による咀嚼困難を主訴として来院した.21| 残根上にオーバーデンチャーが装着されており,21| に動揺を認めた.下顎両側臼歯部は顎堤吸収が著しく,義歯は不安定であった.21| 抜歯の同意を得た後,2本のインプラントを支台とするインプラントオーバーデンチャーを装着した.
考察:残存歯を保存することによりインプラント埋入直後の創面保護が可能となった.磁性アタッチメントによるインプラントオーバーデンチャーは,高齢患者にも義歯着脱が容易であった.
結論:高度な下顎顎堤吸収の症例に対し,インプラントオーバーデンチャーを適用し,良好な予後が観察された.