2022 年 14 巻 2 号 p. 173-176
症例の概要:患者は57歳の女性で,「奥歯で噛めない」との主訴で来院した.臼歯部に咬合支持がなく,閉口時上顎前歯が下顎前歯によって突き上げられている様子が認められた.治療用義歯で咬合支持を回復した後に磁性アタッチメントを用いた最終補綴装置を装着した.
考察:治療用義歯を用いて咬合平面と咬合位の再構成を行うことで咀嚼機能および審美障害の改善を図ることができたと考えられる.
結論:治療用義歯で得られた情報を最終補綴装置に移行することで長期的な予後を確保できた.また磁性アタッチメントを用いたことで患者満足度の高い治療となった.