2022 年 14 巻 2 号 p. 209-212
症例の概要:患者は64歳女性.上顎前歯部欠損と下顎両側遊離端欠損による咀嚼障害を主訴に来院した.咬合平面の不整や咬合崩壊を認め,これらを改善するために,上下顎欠損部のインプラント補綴を伴う咬合再構成を行った.
考察:インプラント固定性補綴歯科治療により咀嚼機能が向上した.最終補綴装置装着後約4年経過したが,全顎的な補綴処置を行うことによって咬合の安定が図られたことと継続的なメインテナンスによって残存歯ならびにインプラント部が経年的に維持できたと考えられた.
結論:本症例では,欠損部のインプラント補綴と残存歯の歯冠修復による咬合挙上を伴う咬合再構成を行ったことで,咀嚼障害が改善された.