2022 年 14 巻 3 号 p. 244-249
日本におけるCAD/CAM冠の歯科医療保険収載は,2014年の小臼歯部への適用を皮切りに始まった.同年,公益社団法人日本補綴歯科学会医療問題検討委員会は,「保険診療におけるCAD/CAM冠の診療指針2014」を作成し,CAD/CAM冠を用いた補綴歯科診療方針の詳細を,学会ホームページにて会員に,診療報酬改定関連セミナー等を通じて広く歯科医療従事者に報知した.その後,保険収載が大臼歯や前歯部へ拡大したことを受け,同委員会は改めて2020年に「保険診療におけるCAD/CAM 冠の診療指針2020」を作成した.本解説では,診療指針2014を基本としつつ大幅に改訂された診療指針2020の概要についてまとめる.