2022 年 14 巻 3 号 p. 309-312
症例の概要:患者は68歳の男性.上顎の歯の動揺による咀嚼困難を主訴に来院した.初診時,上顎残存歯のほとんどが重度の歯周炎に罹患し,動揺も認めたが,咬合支持は維持されていた.上顎の歯はすべて抜去し,同時に天然歯の歯列を模し,咬合高径を維持した即時義歯を装着した.装着した総義歯を暫間補綴装置に利用し,インプラント即時修復治療を行い,咬合高径を維持したまま最終補綴に移行し,治療を終えた.
考察:現在のところ経過良好であるが,咬合の変化等に注意しながら定期的に経過観察を行っていく必要がある.
結論:本症例では,抜歯前の歯列形態を模し咬合高径を維持しながら補綴処置を行ったことが,良好な結果を得た一因と考える.