2022 年 14 巻 4 号 p. 431-434
症例の概要:51歳女性.暫間補綴装置と義歯の不適合による前歯部の審美不良と咀嚼困難を主訴に来院した.睡眠同伴者の歯ぎしり音の指摘はなかったが,咬耗面の光沢から睡眠時ブラキシズムを疑い,上顎にコーヌステレスコープ義歯と夜間装着用義歯を製作し,下顎にインプラント治療を行った.
考察:コーヌステレスコープ義歯により,各支台歯が強固に連結固定されリジッドサポートを獲得し,前歯欠損部に床を付与することで,リップサポートが確保され,審美性の改善につながった.
結論:コーヌステレスコープ義歯とインプラント治療により審美性と咀嚼機能を回復し,夜間装着用義歯により支台歯への力学的負担を軽減し,良好な経過が得られた.