日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
重度歯周炎患者に対し義歯を介して全顎的なインプラント補綴治療を行った一症例
楠本 友里子
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2023 年 15 巻 1 号 p. 97-100

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抄録

症例の概要:患者は70歳の男性.下顎左側臼歯部の動揺・疼痛による咀嚼困難を主訴に来院した.重度歯周炎による咀嚼障害と診断し,長期予後が期待できない残存歯を抜歯した.その後,可撤性義歯により可及的に咬合高径を保持しながら,上下顎に各4本のインプラント体を埋入し固定性インプラント補綴装置を装着した.

考察:プロビジョナルレストレーションで清掃指導と基底面形態の調整を行い,その形態を最終補綴装置に移行したことで,機能性だけでなく清掃性も配慮され,良好な予後が得られた.

結論:重度歯周炎による咀嚼障害に対し可撤性義歯を活用しながらインプラント補綴治療を行った結果,口腔関連QoL・咀嚼機能が向上した.

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© 2023 公益社団法人日本補綴歯科学会
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