2023 年 15 巻 3 号 p. 373-376
症例の概要:患者は71歳男性.義歯を装着するだけで痛みがあり咀嚼困難を主訴に来院した.下顎両側臼歯部は顎堤吸収が著しく,義歯の維持,安定が得られていなかった.旧義歯に多くの問題があったためまず治療用義歯を製作し,更なる機能向上のために下顎にインプラントオーバーデンチャーを装着した.
考察:下顎の顎堤吸収が著しい症例に2本のインプラントを埋入し,オーバーデンチャーを装着することで義歯の動きを制御することができた.これにより義歯が安定し,患者満足度の向上につながったと考えられる.
結論:下顎の高度顎堤吸収症例に対してインプラントオーバーデンチャーを用いることで良好な治療結果を得た.