2023 年 15 巻 3 号 p. 377-380
症例の概要:患者は66歳の女性.下顎義歯装着時の違和感から旧義歯の使用を中止したことに起因する咀嚼困難と |34 欠損による審美不良を主訴に来院した.大連結子の設計を変更した治療用義歯を用いて装着時の違和感と咀嚼機能の改善を確認したのち新義歯を製作した.|34 欠損部は固定性のブリッジとした.
考察:下顎義歯の大連結子を変更したことによる装着時の舌感の変化と義歯の支持・把持の向上が義歯装着時の違和感を軽減できたと考えられる.上顎固定性ブリッジは,陶材焼付冠を用いたことから審美的に良好であり患者の満足感に寄与したと考えられる.
結論:部分床義歯の大連結子に対する違和感に対して義歯の設計変更の有用性が示された.