2023 年 15 巻 4 号 p. 531-534
症例の概要:患者は60代男性.咀嚼困難を主訴として来院した.残存歯は11本であり,上顎大臼歯は挺出し,すれ違い咬合であった.治療は下顎前歯の歯冠補綴装置の製作を進め,その後,治療用義歯を製作した.治療用義歯にて垂直的,水平的顎間関係を決定し,顎機能を確認後,最終補綴装置として部分床義歯の製作を行い,良好な咀嚼機能と審美性を得た.
考察:治療用義歯による適切な咬合高径の回復と,最終補綴装置の適切な設計によって良好な長期経過が得られたと考えられる.
結論:すれ違い咬合に対して治療用義歯を用いて補綴歯科治療を行い良好な結果を得た.