2024 年 16 巻 1 号 p. 103-106
症例の概要:患者は70歳男性で繰り返す下顎部分床義歯破折を主訴に来院した.下顎隆起と舌感によるデンチャースペースの制限,クレンチング,硬性食品摂取による過大な咬合圧が義歯破折と関連していた.下顎隆起切除術には患者の同意が得られなかった.メタルフレームワークを適用したが下顎隆起と舌感に起因する構造上の脆弱性は残存した.咬合様式の選択,歯根膜粘膜支持域の確保,ブラキシズムと摂取食品に対する指導により過大な咬合圧に対応した.
考察:義歯の機械的強度向上,咬合圧軽減,咬合圧分散に配慮した結果,義歯破折が回避された.
結論:高頻度に義歯破折傾向を有する症例において,多角的な対応により良好な結果が得られた.