2024 年 16 巻 1 号 p. 99-102
症例の概要:45歳の男性,上顎義歯の脱離による咀嚼困難を主訴として来院した.上顎全部床義歯における,前歯部の義歯研磨面および人工歯の排列位置が不適切であった.旧義歯に対する辺縁封鎖の確認を行った後に,調整した旧義歯を参考にして新義歯を製作し,高い満足度を得ることができた.
考察:旧義歯に対してティッシュコンディショナーによる辺縁封鎖を行い,新義歯の辺縁部および研磨面に反映させることで,新義歯の維持が増加し,義歯が脱離せず咀嚼することが可能となった.
結論:上顎のニュートラルゾーンを考慮しデンチャースペースの確認を行うことで,口唇口蓋裂の既往を有する患者の上顎全部床義歯の辺縁封鎖が改善できた.