2024 年 16 巻 1 号 p. 107-110
症例の概要:67歳の女性.上顎義歯の易脱離と下顎左右小臼歯部の違和感を主訴に来院した.|67 および 85+5 が残存しており,すれ違い咬合および咬合平面の乱れを呈していた.そこで,上下顎に暫間義歯を製作し,咬合平面を決定した後,上下顎に対し根面アタッチメントを用いた残根上義歯を製作した.
考察:暫間義歯により咬合平面を修正と咬合関係の診断を行い,最終補綴装置では根面アタッチメントを用いた残根上義歯により歯根膜粘膜支持および維持を獲得したことで,咀嚼機能および審美的な回復が得られた.
結論:すれ違い咬合に対して根面アタッチメントを用いた残根上義歯を装着することで,義歯の安定性が向上し,良好な機能回復が得られた.