日本補綴歯科学会誌
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◆企画:第132回学術大会/メインシンポジウム「臨床へ実装されるバイオロジー研究 ~研究室から診療室へ~」
歯科からのイノベーション
─研究〜特許〜ライセンス〜ロイヤリティ収入の裏話─
二川 浩樹田地 豪
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2024 年 16 巻 1 号 p. 11-16

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抄録

 セルフコントロールのできない患者さんのために,バイオフィルムの形成に関わる因子を利用して,逆にバイオフィルムの制御を行おうと考えたことが,産学連携につながっている.その研究は大きく二つあり,一つ目はL8020乳酸菌の利用である.口腔内にはオーラルフローラと呼ばれる常在微生物叢が存在している.腸内細菌叢と同様に,その中に乳酸菌を含んでいるため,プロバイオティクスを口腔に応用する研究を行ってきた.特に,ミュータンス菌,歯周病菌,カンジダ菌に対して高い抗菌性を示すラクトバチルス・ラムノーザス(L8020乳酸菌)を用いたシーズについて紹介する.

 二つ目は,歯の表面やインプラントなどに抗菌性を付加できるようにするため,手指などの消毒に用いられる消毒薬部分とシラン系の固定化部分をあわせ持つ固定化ができる抗菌剤Etakを合成した.このEtakは,吹き付けたり浸漬するだけで,今まで抗菌性を持っていなかったものを簡単に抗菌加工できるというものである.このEtakには抗ウイルス効果もあり,いろいろな用途で活用されている.

 本稿では,L8020やEtakの特許取得やロイヤリティについてなど,具体的な産学連携研究の事例を紹介する.

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