日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
咬合崩壊を示す欠損レベルに対して部分床義歯を用いて補綴処置を行った症例
西根 万純
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2024 年 16 巻 1 号 p. 123-126

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抄録

症例の概要:73歳の女性.上顎部分床義歯の動揺による咀嚼困難と歯の動揺を主訴に来院した.診断の結果,プロビジョナルレストレーションと治療用義歯を用いて咬合平面と咬合高径の是正を行った.咬合崩壊レベルの症例であるため,連結強度を考慮した金属床義歯を設計し,補綴前処置として支台歯に歯冠修復を行い,金属床義歯を装着した.

考察:義歯の回転沈下を防ぐために,支台装置の連結強度を高めた最終補綴装置を装着した.その結果,適切な支持・把持が得られ,咬合力の分散が可能となり良好な予後を得ることができた.

結論:咬合崩壊レベルである本症例は連結強度を高めた最終補綴装置の装着により,咀嚼能力を改善させることができた.

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