2024 年 16 巻 1 号 p. 159-162
症例の概要:患者は79歳男性.かかりつけ医で製作した義歯が合わず,痛みがあることを主訴として来院した.咬耗によりクリアランスが不足し,維持装置の破損を繰り返していた.上顎金属床義歯を新製した後,咬合高径を維持するためメタルティースへ置換を行った.
考察:金属床義歯を新製し,咬合高径が低下する前にメタルティースに置換できたことより,咀嚼機能検査で高い数値を維持することができていると考えられる.
結論:臼歯部欠損による咬合高径の低下が認められ,咬合力が強く,咬耗が著しい症例に対して部分床義歯により機能回復を図ることは有効であり,咬合高径の維持にはメタルティースの有用性が示唆された.