症例の概要:患者は36歳女性.審美不良と食事困難を主訴に来院した.患者は歯科恐怖症で今まで応急処置のみで対応してきた.齲蝕による審美障害と咀嚼障害,臼歯部咬合支持の喪失による咀嚼障害と診断し,上顎はブリッジ,下顎は部分床義歯による補綴治療を行った.
考察:側方ガイドに関与する上顎犬歯に矯正的挺出を行ったため,一次固定により力の分散を図った.また,フェイスボウトランスファー,ゴシックアーチ描記,側方チェックバイト採得を行い,咬合器顆路調節により,咬合器上での下顎運動の良好な再現を試みた.
結論:全顎的補綴歯科治療を行ったことで,患者のQOLが向上し,長期にわたり良好な結果が得られている.