2024 年 16 巻 1 号 p. 167-170
症例の概要:65歳男性.下顎可撤性部分床義歯の異物感と上顎前歯部の審美障害を主訴に来院した.患者は可撤性部分床義歯の連結装置と形態の変更による主訴の改善が難しいこと,また固定性補綴装置による咀嚼機能と審美性の回復を希望していたため,上顎前歯部は固定性ブリッジ,下顎欠損部はインプラント義歯により機能回復を図ることとした.
考察:下顎可撤性部分床義歯をインプラント支持による固定性補綴装置にすることで,患者の満足につながった.上部構造装着後3年経過後も,インプラント体周囲の炎症や上部構造体の破折などは認められない.
結論:可撤性義歯の異物感と審美障害が主訴の患者に固定性補綴装置を適応し良好な経過を得た.