2024 年 16 巻 1 号 p. 179-182
症例の概要:患者は69歳の女性.主訴は歯周炎による疼痛およびインプラントの破損と動揺による咀嚼困難であった.左右の臼歯欠損により咬合支持域の顕著な減少が起きたが,インプラントと延長ブリッジによる治療を行い,良好な予後を得ることができた.
考察:完全歯列への再建は行わなかったが,適応が困難だった義歯を避け,かつ外科的侵襲を最小限にして患者の負担に配慮した治療計画を立案し,咀嚼機能の回復と口腔関連QoLを向上させることができた.
結論:固定性補綴治療を使い分け,短縮歯列の考え方も併用することで,患者の満足する機能を回復することができた.