2024 年 16 巻 1 号 p. 183-186
症例の概要:68歳女性.歯が揺れ,痛くてかめないことを主訴に来院した.保存困難な残存歯を抜歯後,治療用義歯を装着した.治療用義歯にて機能的,形態的に評価した後,上下顎にコーヌステレスコープ義歯を製作した.
考察:コーヌステレスコープ義歯を用いて上下顎残存歯の二次固定効果が得られ,義歯の安定や咀嚼および審美障害の改善が得られた.
結論:多数歯欠損を有する患者に対し,上下顎にコーヌステレスコープ義歯による補綴処置は咀嚼機能の回復と審美性の改善に有効で,患者の高い満足を得ることができた.