2024 年 16 巻 1 号 p. 191-194
症例の概要:61歳の女性.前歯部の審美障害および義歯が使用できないことによる咀嚼困難を主訴として来院した.欠損部位に口腔インプラントを埋入した後,全顎的な補綴処置を行った.
考察:装着より5年半が経過し,現在までに咬合の変化は確認されていない.口腔インプラントにより咬合を支持し,また機能性反対咬合の改善により側方運動時の不正な咬合接触を除去した結果,さらにはモノリシックジルコニアの使用により咬合面の形態の変化を抑制したことで,長期的な安定を得ていると考えられる.
結論:本症例において,機能性反対咬合の改善と口腔インプラントによる補綴とを併用した結果,咀嚼障害が改善された.