2024 年 16 巻 1 号 p. 187-190
症例の概要:患者は74歳の男性.下顎義歯床下粘膜の疼痛を主訴として来院した.高度骨吸収および下顎隆起に起因する義歯床下粘膜の疼痛による咀嚼障害,上顎総義歯の安定不良による咀嚼障害と診断した.複製義歯を用いた閉口機能印象により上下顎新義歯を製作し,下顎は軟質リラインを行った.
考察:複製義歯をトレーに用いたことで,旧義歯の形態を保存しつつ新義歯を製作できた.軟質リラインの応用により,下顎隆起を義歯の維持に利用しつつ咬合力の集中を避けたことで,義歯の維持・支持が向上し,咬合力,咀嚼能力が改善した.
結論:高度顎堤吸収があり下顎隆起も存在する症例には,軟質リラインを応用し下顎隆起部のアンダーカットを利用することが有効であると考えられた.